2023年4月25日
こんにちは! いわつか歯科クリニックです。
歯がなんとなく痛い、でもどこが痛いのかわからない。頭痛もある様な気がする。目の下あたりが重い感じがする。このような症状を感じたことはありますか? それは上顎洞炎かもしれません。上顎洞炎は虫歯や歯周病が原因で起こることもあります。
鼻の副鼻腔という空洞で炎症が起こる、いわゆる蓄膿症のことです。
歯が由来のものと鼻が由来のものがあります。
歯が原因の場合は片側性、鼻が原因の場合は両側性のことが多いです。
上の歯の奥歯の根っこの先端は上顎洞の底面と近接していたり、交通していることが多いです。
その上顎洞との距離が近い歯で虫歯や歯周病が進行すると、上顎洞と近接または交通している根っこの先から感染が上顎洞にまで進み、上顎洞炎(蓄膿症)を引き起こすことがあります。
根っこの治療中に発症する事も多々あります。
他にも原因は色々ありますが、歯が原因で上顎洞炎になってしまうとその歯は抜歯しなければならない可能性が高いです。
顔周りの症状としては、
原因歯がある片側性に発症し、急性上顎洞炎の場合、ズキズキ痛みが出たり頬が腫れたりします。
何もしてなくても痛かったり、噛んだ時にも痛みが出たりします。
その他、頭痛や鼻が詰まる症状、嗅覚異常、目の下の痛みなどがあります。
慢性上顎洞炎の場合は、急性のものと同じような症状が出ますが、急性のものより症状は軽く、あまり自分自身で気付かない事もよくあります。
慢性のものでも、根っこの治療を始めることにより、急性に変わることもあります。
全身症状としては、
発熱、全身倦怠感、食欲不振などです。
基本的には抜歯が第一選択です。
特に急性症状が強い場合は、抜歯して膿を出し、上顎洞内を綺麗になるまで何度も洗浄します。
また、抗菌薬(マクロライド系抗生物質少量長期投与)、抗炎症薬を飲んでもらい、栄養はしっかり摂って安静にしてもらいます。
それでも症状が改善しない場合は、上顎洞内の感染物質を直接手術して除去しなければならない場合もあります。
慢性歯性上顎洞炎の場合は抜歯も一つの選択肢ですが、まずは根っこの治療をしながら、耳鼻咽喉科と連携し、症状の改善を図ります。
鼻が慢性的に詰まるような症状の場合はまずは耳鼻咽喉科を受診してください。
歯に痛みがあったり、歯の治療中に症状が出る場合は、歯が原因の可能性がある為、歯科を受診してください。
根っこの先の膿の大きさが小さい場合は、上顎洞にまで感染が進んでおらず、抜歯しなくてよいケースも多い為、もし虫歯があったり根っこの先がうずくような症状がある場合は歯を守るために、早めの歯科の受診をお勧めします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2023年4月18日
「何を食べれば歯が強くなるの?」 健康な歯と丈夫な歯ぐきをつくるためには、規則正しい生活とバランスの良い食事が大切です。 では、具体的にどのような栄養素を摂取すればよいのか、歯と歯ぐきを強くする栄養素と食品についてご紹介します。
丈夫な歯と歯ぐきを育てるためには、カルシウムのほかタンパク質やビタミン類をバランスよくとることが大切です。 以下の栄養素を日頃から意識し、積極的に摂取しましょう。 ●カルシウム カルシウムは骨や歯を構成する大切な要素です。 歯の再石灰化を促進させる役割があります。 ●タンパク質 タンパク質は身体の機能調整や、筋肉や臓器にもととなる栄養素です。筋状のタンパク質の間にカルシウムが付着して丈夫な歯が作られます。 健康な歯ぐきを維持するためにも必要な要素です。 ●ビタミンA ビタミンAは歯の象牙質のもとを生成するほか、歯のエナメル質を強化する役割も担っています。 ●ビタミンC ビタミンCは歯の象牙質を作る要素です。また、健康な歯ぐきに必要なコラーゲン繊維を促す役割もあります。
健康な歯や歯ぐきに欠かせない栄養素は、さまざまな方法で取り入れることができます。 歯や歯ぐきによい栄養素が多く含まれる食品とレシピをご紹介します。 ●カルシウム 【乳製品・小魚・ひじき】
●タンパク質 【卵・魚・お肉・大豆製品・牛乳】
●ビタミンA 【ほうれん草・にんじん・レバー・かぼちゃ】
●ビタミンC 【キウイフルーツ・みかん・パプリカ・ブロッコリー・ゴーヤ】
「歯を強くする食べものってたくさんあるね」という印象をもたれましたか? そう、健康な歯と歯ぐきを作るためには、さまざまな栄養をバランスよく摂取することが大切なのです。 今回ご紹介した栄養素やレシピを参考に、毎日の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
「むし歯を治療したのに、再発してしまった」このようなご経験はありませんか。 一度治療したむし歯でも、ケアを怠るとむし歯が再発してしまう可能性は十分にあります。 今回はむし歯が再発する原因と対策について解説します。
むし歯の発生には理由があります。 なぜ、むし歯が再発するのか、その原因をしっかり知っておきましょう。 ●歯磨きが不十分 むし歯の治療を行なっても、歯磨きが不十分であれば、当然むし歯は発生してしまいます。1日3回の歯磨きを基本に、時間をかけて磨くことが大切です。 ●むし歯になりやすい生活習慣を送っている 間食が多い方や甘いジュースを日常的に摂取している方はむし歯になりやすい傾向があります。 むし歯菌の栄養分となる「糖」により、お口の中が酸性化し、むし歯を作り出してしまいます。 ●詰めもの、被せものに隙間がある 歯ぎしりや食いしばりなどにより、歯や詰めものは徐々にすり減ってきます。 すり減りによって、歯と詰めものの間にわずかな隙間ができてしまい、その隙間から細菌が侵入することでむし歯が発生します。
むし歯の再発を防ぐ方法は、以下の通りです。 繰り返すむし歯にお悩みの方は参考にしてください。 ●歯磨きを丁寧に行う 1日3回の歯磨きが基本ですが、どうしても難しい方は就寝前の歯磨きに重点を置いてください。 就寝中は唾液の量が少なくなるため、むし歯が発生しやすい傾向にあります。歯ブラシに加え、デンタルフロスや洗口液も取り入れましょう。 ●歯科医院で定期検診を受ける むし歯リスクが高い方こそ、歯科医院での定期検診と予防クリーニングを受けましょう。 定期的に検診を受ければ、万が一むし歯が発生しても小さな治療で済みます。 ●むし歯になりにくい素材(セラミック)で治療を受ける 歯の修復に使用される、いわゆる「銀歯」は汚れが付着しやすく、劣化しやすい材料です。 一方、自由診療で使用されるセラミックは劣化しにくく、汚れもつきにくい材料です。 歯と被せものがぴったり一体化できるので、隙間から細菌が侵入するリスクを最小限に抑えることができます。
むし歯の再発は、決して珍しいことではありません。 むし歯を繰り返していくと、残された天然の歯の量が減っていき、将来的に抜歯になる可能性も考えられます。
2023年4月11日
歯周病は感染症です。お口の中に存在する歯周病菌によって引き起こされ、成人の8割以上が歯周病、またはその予備軍であると言われています。そのため、ほとんどのひとがかかっていると言われても過言ではないのですが、これは遺伝との関係性はあるものなのかお伝えしたいと思います。
結論から言うと、一般的には歯周病そのものは遺伝することはありません。歯周病とは歯周病菌が感染して増殖し、それに対する人間の抵抗力とのバランスが崩れた時に発症、進行する感染症です。
この感染経路は実はまだよくはっきり判明していませんが、この歯周病菌に感染した後に歯周病を発症するかどうかという抵抗力の遺伝、また、歯垢や歯石のつきやすさ、歯周病を発症しやすい歯並び、唾液の質などは遺伝する可能性があります。また、歯周病を発症しやすくなる糖尿病は遺伝が大きく関わっていることがわかります。
また、家族で同じような生活習慣、食習慣を持っている場合、プラークのつきやすさなども類似してくると考えられるでしょう。感染症であることから家族間での細菌感染も考えられます。
結論としては、一般的によく見られるタイプの歯周病の場合、歯周病の病気そのものは遺伝しませんが、「歯周病のかかりやすさ」は遺伝すると言ってもおかしくはないのかもしれません。
一般的な歯周病とは成人型歯周炎(慢性歯周炎)をさすことがほとんどです。しかし、遺伝の傾向が強いとされる歯周病も存在します。
これは歯周病患者のうちの約8%の人に見られるとことがあり、早くて11〜12歳頃から発症し、40歳〜50歳くらいで急速に進行して歯が一気に抜けていってしまう症状です。この歯周病に関しては家族内での発生が多く見られていおり、遺伝の傾向が強いとされています。原因菌としてはアクチノバシラス・アクチノミセタムコミタンス(A.a.菌)が関与しているとされています。
20〜30代で発症し、急速に歯周組織の破壊が見られます。口の中の特殊な細菌であるポロフィロモナス・ジンジバーリス(P.g.菌)が関与していると考えられています。
ダウン症候群、好中球減少症など特殊な遺伝性疾患において見られる歯周炎で、歯周組織の破壊が急速に進みます。極めて少ないですが、これも遺伝性のものです。
歯を失った時、入れ歯やブリッジ以外にもインプラントで補うことができます。今回は、このインプラントについて紹介いたします。
インプラントとは「失った歯のあった顎の骨に、人工歯根(インプラント体)を埋め込み、人口の歯を取りつける治療方法」になります。
顎の骨に直接固定されるので、ズレたりグラついてしまうことがなく、しっかりと噛むことができ食事を楽しむことができます。 セラミックなどの人工の歯を取りつけるため、見た目も白く自然であり、耐久性も問題ありません。
インプラントは、入れ歯やブリッジとは違いがいくつかの種類があります。 見た目や使い心地、機能性を考えると、ブリッジや入れ歯に比べてインプラントの方がより優れていることが多いです。
●ズレが生じにくく違和感が少ない
入れ歯はズレたり違和感を感じることがありますが、インプラントは骨に固定されているためズレや違和感を感じることがほとんどありません。
●まわりの健康な歯に負担がかからない
インプラントは、顎の骨だけに固定するため、まわりの健康な歯に負担をかけることがありません。 一方、ブリッジはまわりの健康な歯を削って土台にすることになります。また部分入れ歯は隣の歯に金具を引っかけて固定します。そのため、ブリッジも部分入れ歯もまわりの健康な歯に負担がかかってしまいます。
●見た目が自然
インプラントではセラミックスなどの素材を使って人工の歯を作るため、見た目が白く自然に仕上がります。 保険診療のブリッジは銀色の合金を使い、また保険診療の部分入れ歯も金具を隣の歯に引っ掛けるため目立ちます。
●機能性が高い
インプラントは丈夫で、毎日しっかりお手入れをして定期メンテナンスを続ければ半永久的に使い続けることが可能です。 ブリッジや入れ歯は、長期間経つと作り直す必要があります。
インプラントのメリットは、見た目が白く自然で、しっかりと噛むことができ、ズレないことです。
また、歯が揃っていた時と同じようにはっきりと発音することができます。さらに丈夫で、長く使い続けられる点も魅力です。
一方デメリットとして、手術が必要で治療期間が長めになることがあげられます。また、自由診療のため、保険診療のブリッジや部分入れ歯よりも治療費がかかります。
2023年4月4日
小さなお子さんの舌はきれいなピンク色なのに、大人になるにつれて白く濁ったような色の舌になってきているのが気になったりはしませんか。 この舌についた白いものは舌苔といい、口臭の原因の一つといわれています。
舌苔(ぜったい)とは舌の表面が硬くなり、その凹凸の間に食べかすや細菌、など様々な汚れが溜まって集まったものです。 細菌が繁殖しやすく、口臭の原因になったり、口がネバネバするなどの不快な状態を生み出したりします。
東洋医学では舌は体の調子を表すバロメータといわれ、診察の一つとして舌の状態をチェックします。血液や内臓の状態を映し出している舌の状態や色で、体の調子の悪い箇所を診断しているのです。
舌苔は粘膜を保護する役割も担っているため、なくすことはできません。健康な状態であれば、うっすらと覆われているだけで、舌のピンク色が透けて見えますが、汚れが厚く積もっていて白くなっているときは、胃腸が弱っていたり疲れがたまっていたりする状態です。
舌苔が黄色い状態だと風邪などの病気をしていたり、胃炎を起こしていたりする可能性があり、口臭も強くなりつつあります。
体調がとても悪く、なにかの病気である可能性があるので、病院で診察してもらったほうがよいでしょう。
免疫力がない状態で、貧血などを起こしやすく体が衰弱しており、休養が必要です。
・細菌の繁殖を防ぐ ・口臭を和らげる ・正常な味覚を取り戻す ・誤嚥性肺炎を予防する
舌のケアをすると上記のようなメリットがあります。ケアをしないと反対のことが起こる可能性に繋がります。 特に、免疫力が弱まった高齢者の誤嚥性肺炎は、適切な口腔ケアをすることで予防できることが多いので、舌のケアも積極的に行っていきたいですね。
舌についた細菌をとろうと、歯磨きついでに歯ブラシでこすったりしていませんか? 歯ブラシは硬い歯を磨くためのもので、毛先が硬すぎ、粘膜である舌には刺激が強すぎます。 舌専用のブラシが市販されているので、優しくなでるようにして汚れを取り除きましょう。スポンジブラシや口腔ケア用のウェットティッシュで拭き取ってもよいでしょう。 舌が乾燥していると汚れが落ちにくかったり、傷ができやすくなったりしてしまうので、保湿剤を塗布するなどして湿らせましょう。舌苔が柔らかくなってきたら、手前から掻き出すようにして、舌の先から奥まで少しずつ進めましょう。 また、口臭の原因だからといって、一気に全てを取り除くことはやめましょう。 舌を痛めてしまい、食事の際に痛みが出たり、舌の表面にある味を感じる細胞を傷つけたりしてしまうことになります。 時間がない時はマウスウォッシュを使用すると、舌のケアと併用することでより効果が得られます。
・水分摂取を積極的にする ・よく噛んで唾液の分泌を促す ・話したりして舌の動きをよくする ・規則正しい生活を送る
舌苔があるのは正常な状態で病気ではないので、多くの場合は治療の必要はありません。 ただ、あまりにも白く分厚かったりする場合は、口臭や誤嚥性肺炎の予防のためにケアをしたほうがよいでしょう。 また、舌の色によっては、疲れていたり、大きな病気のサインの場合もあるので、体の声に耳を傾けて、心配な場合は医療機関を受診したほうがよいでしょう。
虫歯が虫歯菌によって引き起こされていることは良く知られています。虫歯はミュータンス菌のような虫歯菌による感染病なのです。 ですから、生まれてすぐの赤ちゃんの口の中に虫歯菌はいませんし、そのまま歯が生えてきても虫歯になることはありません。 では、どうして虫歯になってしまうのでしょうか?実は、生活を共にする大人たちから子供へと感染してしまっているのです。
病気が親から子供へと感染することを垂直感染といいます。 それに対して、夫婦間や友達同士で感染が広がることを水平感染といいます。 虫歯を引き起こすミュータンス菌は、代表的な垂直感染の例としてよく紹介されます。 虫歯がお母さんから子供へと感染することは十分考えられることなのです。 一般的に、私たちの口の中には善玉菌と悪玉菌を合わせて300~400種類の細菌が住み着いているといわれていますが、その割合は人によって異なります。 口の中に住み着いた細菌は、他の細菌を攻撃するたんぱく質を作って、いわば陣取り合戦を繰り広げているので、人によって勢力図は違うのです。 虫歯菌に感染する機会が多ければ多いほど、口の中にある虫歯菌は優位になって、数を増やしてしまうことになります。 虫歯の原因は免疫力や生活を取り囲む環境も大きく影響していますが、歯を溶かす酸を出すのは虫歯菌です。 虫歯菌の数は、虫歯のなりやすさに大きく関係しています。
ミュータンス菌は歯などの硬い組織の表面に付着するのが得意な細菌なので、乳歯の生え始めるころから感染が始まります。 この生え始めのころ(19ヶ月)から、歯が生えそろうまで(31ヶ月)の期間はとくに虫歯菌に感染しやすいので、歯科では「感染の窓」と呼んでいます。 親子での垂直感染を防ぐには、「感染の窓」が開いているこの時期、虫歯菌が口に入ってしまう機会を極力減らすように心がけることが大切なポイントです。 そうすることで、陣取り合戦の中での虫歯菌の居場所は小さくなり、子供が成長しても虫歯ができにくい口腔環境が整います。
具体的にはこの期間、「食べ物の口移しや噛み与えをしない」、「離乳食の味・温度チェックを赤ちゃん用のスプーンで行わない」、「お箸やスプーンの共有はしない」といった対策をしましょう。 大人が使ったお皿やお箸にも虫歯菌は付着しているので、大人のお皿に一度入った食べ物を子供に与えるのも止めたほうが良いです。 このような対策を徹底させるためには、お母さんだけではなく家族全員の理解が欠かせません。 理由も知らせず食器の共有を避けることは、相手を不快な思いにさせるかもしれません。 一緒に食事をすることが多い祖父母などには、事前にきちんと「感染の窓」や垂直感染のことを話しておくべきです。
2023年3月28日
私たちの歯は、生えてくる順番や時期などがある程度決まっています。それが標準よりも遅れていたり、生えてくる兆しが見えなかったりする場合は不安を感じてしまうものですよね。
同年代の子はもうすでに大人の歯に生え変わっているのに、自分の子はいつまでも歯列に隙間がある、あるいは乳歯が残ったままでいる。そうした悩みを抱えている親御様は、まず歯の生え変わりに個人差があることを知っておきましょう。また、歯が生えない原因は、もともと永久歯が存在しない場合と、何らかの理由で萌出が邪魔されている場合の2つに分けられる点もがあります。
今回はそんな子供の歯が生えない原因と対処法をお伝えしていきます。
もともと永久歯が存在しないケースを「先天性欠如(せんてんせいけつじょ)」といいます。永久歯の先天性欠如は、「乳歯が抜ける前に発見できた場合」と「乳歯が抜けてから発見した場合」とで対処法が少し異なります。
乳歯が抜ける前に発見できた場合
○乳歯を長持ちさせる
乳歯の先天性欠如は、定期検診や虫歯治療でのレントゲン撮影で偶然見つかることが多いです。まだ、乳歯が抜けておらず、健康な状態であれば、そのまま長く使い続ける道を模索します。それでも乳歯を一生涯使い続けることは難しいため、どこかのタイミングでブリッジや入れ歯、インプラント治療を受けることになります。
乳歯が抜けてから発見した場合
乳歯が抜けてから永久歯の先天性欠如を発見した場合、学童期では部分入れ歯のような装置を装着することが多いです。この時点でブリッジやインプラントといった固定式の装置を装着してしまうと、周囲の歯や組織の発育を阻害してしまうからです。成人してからは、通常の入れ歯・ブリッジ・インプラントから治療法を選択することになります。
乳歯の虫歯が原因で永久歯が生えてこない
永久歯が生えてこない原因として意外に多いのが「乳歯の虫歯」です。乳歯の虫歯が重症化すると、歯の根の先から細菌などが漏れ出て、すぐ下に控えている永久歯に悪影響を及ぼします。乳歯が虫歯で早期に脱落すると、永久歯に萌出を促すサインが送れなくなり、永久歯はそのまま顎の骨の中にとどまってしまうのです。
○対処法
乳歯の虫歯を放置しないことが何より重要です。「乳歯はいずれ永久歯と生え変わるから」といって放置してしまう親御様もいらっしゃいますが、それは絶対におすすめできません。乳歯が虫歯になったらすぐに歯科を受診して、早期治療に努めましょう。
過剰歯が邪魔をして永久歯が生えてこない
私たちの歯は親知らずを除くと全部で28本生えてきますが、人によっては29本や30本生えてくることがあります。そうした余分な歯を専門的には「過剰歯(かじょうし)」と呼び、永久歯の萌出を邪魔することがあるため要注意です。
過剰歯を抜くことで、永久歯が正常に生えてきます。
歯医者は怖いと小さい頃思っていた人は多いのではないでしょうか。実際、子供達に行きたくないところを聞けば注射か歯医者と答えるでしょう。それくらい歯医者は怖いイメージが昔からあります。
稀に歯科恐怖症の患者さんから「全身麻酔で治療をしてほしい」と話を受けますが、実際に可能かどうかをお伝えしていきます。
結論から言うと全身麻酔を使って虫歯の治療をすることは可能です。しかし、現実的ではありません。
というのも全身麻酔を使用して虫歯の治療をするのは本来脳性麻痺のある児童や重度障がい児・障がい者の患者さんが多いからです。脳性麻痺のある児童は突然反射運動を起こす危険があり通常の歯科治療では困難な場合があります。他にも重度の障がいを持っている患者さんは自分の意思とは関係なく身体が動いてしまうことがあります。 虫歯の治療では鋭利なドリルを使用して口の中で操作をするので暴れられたりすれば大けがにもつながってしまいます。患者さんの安全を考えた時に全身麻酔で行う方がベストと判断すれば全身麻酔下で虫歯治療や根っこの治療を行うこともあります。
全身麻酔はするにしても歯科麻酔科の専門医を呼ぶ必要があります。 歯科恐怖症の症状が強い場合は健康保険で全身麻酔を受けることができますが相場は1回10万円程度です。虫歯治療をするだけで10万円以上の費用がかかってしまいます。
さらに全身麻酔をするには一般開業歯科医院では行うことができません。充分な設備の整っている医科大学病院や歯科大学病院へ通ってもらう必要があります。初診でかかり直すだけでなくそこから担当歯科医への振り分けと診断を行い、全身麻酔の予約へとステップを踏むので期間も長期間かかってしまいます。
歯科恐怖症の患者さんで全身麻酔で虫歯を治す以外の方法を考えると静脈内鎮静法というのがあります。この方法は静脈内に鎮静薬を注入し、意識レベルを下げる方法です。 みなさんが寝起きや寝る直前のぼーっとしている時の感覚ってありますよね?あの状態で治療をするのが鎮静法だと考えていただければいいです。
現在は医療器具や薬の進歩により麻酔時の痛みや不快感を和らげることが可能のとなっており、心配するようなことは基本的にはありません。
当医院では経験豊富なスタッフがご対応をさせていただきますので、ご心配事などございましたらお気軽にご質問ください。
2023年3月22日
歯ブラシの正しい洗い方って、意外と知らないですよね。歯ブラシを軽く水洗いするだけだと、本来お口の中をきれいにする歯ブラシ自体が不衛生なものになってしまいます。雑菌が増殖した不衛生な状態の歯ブラシを使用すると、お口だけに関わらず体にも悪影響を及ぼしかねません。清潔な歯ブラシの状態を保てるよう、正しい歯ブラシの洗い方を身につけましょう。
・雑菌が増える原因
歯ブラシの植毛部分は、水分が残りやすく、プラーク(歯垢)や細菌の餌となる食片が毛の間に残りやすいため、雑菌が繁殖するには好条件が揃いやすいです。そのため、不十分な歯ブラシの洗い方だと雑菌が繁殖しやすくなります。
・不衛生な歯ブラシを使うリスク
雑菌が繁殖した歯ブラシを使っていると、雑菌がそのまま口の中に入ってしまいます。 そうすると、体調が悪化して、体の免疫力が下がった場合には歯肉炎(歯茎が腫れる病気)のリスクが上がってしまうこともあります。 そのようなリスクを下げるためにも、歯ブラシは清潔に保つことが大切です。
・流水でしっかりすすぐ
歯磨き後、流水をあてながら歯ブラシをしっかりすすぎます。サッと流すだけでは不十分。10秒くらいかけて、念入りに洗い、食片が残らないようにするのがポイントです。食片が残ってしまうと雑菌が増える原因にもなります。歯磨きする前に、うがいをして、口の中をある程度綺麗な状態にしてから歯磨きするのもおすすめです。
・植毛部を揉みながら洗う
流水ですすいだ後は、植毛部の毛の間や根元の汚れが残ってないか確認し、指で揉みながら10秒間ほど洗います。ただ、毛と毛の間に絡まった食片をとるのは難しいので、予め大きめの物は歯磨き前に糸ようじや歯間ブラシ等で取っておくと洗いやすいです。