2023年1月10日
こんにちは! いわつか歯科クリニックです。
虫歯の症状が進んでしまうと神経を取る治療(根管治療)が必要になってしまうケースがあります。 一度神経を抜いてしまうと様々な理由により歯が弱くなってしまいます。 今回は何故神経を抜くと歯が脆くなってしまうのかお伝えしたいと思います。
■神経を抜いた歯の寿命が短くなってしまう
虫歯が神経まで達してしまったとしても、なるべく早く受診して神経を抜けば、歯を失わずに済みます。 しかし、抜髄した箇所の歯は、神経のある歯と比較して、寿命が短くなってしまいます。
・歯に栄養が行き渡らないために弱くなる
歯の神経の役割の1つに、歯へ栄養を運ぶというはたらきがあります。 神経を抜いてしまうと、当然栄養を送ることができなくなってしまいます。
抜髄した歯は、良く枯れ木のようなものだと例えられることがあります。栄養が届かないため、どんどん衰弱していってしまうためです。
神経のある歯は弾力を持ち、丈夫な歯となりますが、神経を抜いてしまうと途端に折れたり、割れやすくなってしまったりと脆くなってしまいます。
・病気の症状に気づきにくくなる
歯の神経のもう1つの役割は、痛みを感じることです。 神経を抜いてしまうと痛みを感じることがないため、虫歯が再発したとしても、気づきにくくなってしまうのです。定期検診に通うことである程度予防、早期発見をすることができますが、検診に通っていないと、重症化するまで気付かないといったケースもあります。
神経を抜いて治療することを「根管治療」といいます。 歯科治療の中でも根管治療は非常に難易度が高いといわれているため、神経の取り残し等の失敗が起こるケースも少なくありません。
また、根管内に細菌が留まってしまうと、歯根の先で細菌感染を起こし、根尖性歯周炎となってしまいます。
根尖性歯周炎に気付かず重症化すると、抜歯のリスクも高まり、どんどん歯の寿命が短くなるという悪循環を繰り返すことにもなりかねません。
歯を抜くことはもちろんのこと、歯の神経を抜くことも、できれば避けたいケースです。 従来の治療では、虫歯が神経に達すると抜髄する他ありませんでしたが、現在は、医療の進化によって、神経を抜かずに維持できるケースも多くあります。
当医院では予防歯科に力を入れておりますので、お口の中に違和感やお悩みを感じたことがありましたらお気軽にご相談、ご来院をお待ちしております。
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2023年1月7日
以前、大きな虫歯の治療には「銀歯」を使うことをご説明しましたが、では小さな虫歯には何を使うのか? 銀歯のお話の時にも少し出てきましたが「CR(コンポジットレジン)」というものを使用します。 今回はそのCR(コンポジットレジン)についてお話ししたいと思います。
●CR(コンポジットレジン)ってなに?
「小さな虫歯ができてしまったら、虫歯を削って銀歯を詰める」と思っている方も多いのではないでしょうか。
日本以外の先進国では、以前から虫歯治療には銀歯を使用しないのが一般的です。何を使うのかというと、「CR(コンポジットレジン)」と呼ばれる白い詰め物になります。
コンポジットレジンはセラミック 粒子とレジン(合成樹脂)を混ぜ合わせたプラスチックとなっており、以前は劣化しやすい素材だったため、あまり普及していませんでした。しかし研究開発が進み、近年は日本でも虫歯治療における詰め物の第一選択肢として、コンポジットレジンが採用されるようになってきました。
コンポジットレジンはもともと柔らかい素材ですが、虫歯を削った箇所に詰めて特殊な光を当てると硬化・接着します。そして硬化の際に縮む性質を持っているため、広い範囲にコンポジットレジンを詰めると縮み具合が大きくなり、コンポジットレジンと歯の境に隙間ができます。そこから虫歯になるリスクが高くなってしまうのです。
ですから、コンポジットレジンは小さな虫歯の治療には向いていますが、進行して大きくなった虫歯の治療にはあまり向いていません。大きな虫歯には、ほかの治療方法を適用する場合がほとんどです。
●CR(コンポジットレジン)のメリット・デメリット
先ほど少しお話ししたように、歯科材料はそれぞれ良い面と悪い面があります。コンポジットレジンの特徴は次のとおりになります。
・天然歯の色に近い ・削る量が最小限で、治療が短期間で済む ・金属アレルギーの心配がない ・保険診療を適用できる
・時間が経つと変色する ・経年劣化する ・定期的に再治療が必要 ・歯の状態によっては使用できない場合がある。
治療方法は、虫歯の状態はもちろん、患者様の年齢や生活環境などによっても、適切な治療方法は異なるためです。 一番はやはり虫歯になる前にしっかりと予防を行うことです。 当医院では予防歯科に力を入れておりますのでお口のことで相談などございましたらお気軽にご来院ください
2023年1月4日
みなさんはむし歯治療に使われる詰め物はご存じでしょうか? その中でも大きな虫歯の治療に使用される「銀歯」について今回はお話していこうと思います。
●大きな虫歯の治療
小さな虫歯は、削った後に「CR(コンポジットレジン)」というプラスチック素材を詰めます。しかしコンポジットレジンは治療で硬化させる際に縮む性質を持っているため、広い範囲に詰めると、コンポジットレジンと歯の境に隙間ができやすくなってしまいます。そこから新たな虫歯ができるリスクも高くなります。
そこで大きな虫歯を治療する場合は、他の素材を使って歯の削った部分を補います。銀歯の他にも歯科治療で使う詰め物・被せ物の種類はいろいろあります。
●銀歯のメリットとデメリットは?
歯科治療で使われる銀歯は主に、金・銀・銅・パラジウムなどが混ざった合金です。配合比率はメーカーによって異なりますが、主成分は銀で、色も銀色なので「銀歯」と呼ばれています。
・保険診療なので治療費が安価 ・強度が高くしっかり噛める ・耐久性がある
・見た目が目立つ ・金属アレルギーのリスクがある ・ガルバニー電流のリスクがある
●金属アレルギーとガルバニー電流とは?
歯科治療で入れた詰め物が身体の不調に関係している、と思う方はあまり多くないでしょう。しかし、次のようなリスクもあるので注意が必要です。
銀歯は唾液に触れることで、少しずつ溶けたり腐食したりしていきます。銀歯から金属イオンが発生することで、金属アレルギー反応を起こす場合があります。金属は消化管や粘膜を経由して全身にまわるため、症状は口の中ではなく手足などの皮膚に現れます。
主な症状は、膿や水ぶくれなどの皮膚症状です。歯科治療で使用する銀歯は合金なので、さまざまな金属が合成されています。そのため、金属アレルギーの原因物質の特定は困難になってしまいます。
金属製のスプーンやアルミホイルを噛んだとき、銀歯同士で噛み合わせたときにピリッと、またはツーンと感じた経験はないでしょうか?異なる金属同士が触れると、その間に電流が流れるためです。これを「ガルバニー電流」といいます。
ガルバニー電流は微弱な電流ですが、自律神経に影響を及ぼします。そのため、頭痛・肩こり・めまい・耳鳴り・不眠など、身体の不調を引き起こす場合があります。
ガルバニー電流は、異なる種類の金属同士が触れたときに発生するのが一般的ですが、口の中は唾液があるため、電気が伝わりやすくなっています。そのため、口の中の銀歯が合金ではなく1種類の金属で作られていたとしても、ガルバニー電流が発生しやすくなっているのです。
歯科治療で使用する材料には、それぞれ利点と欠点があります。 どのような治療方法や歯科材料があるのか、しっかりご説明を行い、そしてお口の状態に合わせて、適切な治療をご提供しています。
2022年12月29日
こんにちは
年末年始の休診のお知らせです。
12月29日から1月5日まで休診させていただきます。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願い致します。
いわつか歯科クリニックのスタッフ一同、来年も笑顔いっぱいでお迎えしますね。
よいお年をお迎えください。
2022年12月27日
一般的に体への悪影響が知られているタバコですが、歯科分野にも大きく影響していることはご存じでしょうか。 今回は喫煙のリスクについて書いていこうと思います。
タバコに含まれている毒は大きく分けて3つあります。
①ニコチン
②一酸化炭素
③タール
・毒性:【青酸】に匹敵するほどの毒性があり、中毒量は1〜4mg、致死量は30〜60㎎です。
タバコ1本につき0.1〜2.3㎎ほど含まれていますので、一度に多く吸うとなんらかの症状や障害が出ます。一度に多く吸わずに症状が出なくても、体には少なからず何らかのダメージがあると思います。
・中毒性:中毒性は麻薬として知られているコカインやヘロインよりも高いです。
カフェイン < アルコール < コカイン < ヘロイン < ニコチン
・血圧上昇作用
一酸化炭素が邪魔して全身酸欠状態
肺へ吸い込んだ酸素は、ヘモグロビンが結合し全身へ運びますが
一酸化炭素は、酸素と比べ250倍以上ヘモグロビンと結合しやすいため、全身に酸素を運びにくくなります。
タールには、数多くの発ガン性物質が含まれています。しかも、タールは細胞に付着するため、身体に溜まっていってしまいます。
加熱式タバコにはタールが発生しにくいとの話がありますが、発がん性やニコチンを含むため安心はできません。
虫歯とタバコはあまり関連がありませんが、栄養状態に大きく左右される歯周病治療や外科処置は、喫煙の影響を大きく受けます。
歯肉は体の末端のため、ニコチンの血管収縮作用や一酸化炭素により栄養不足になり、治療が完璧でも治らないということが起こり得ます。
たばこの煙の中のタールは、ヤニとして歯の表面にこびりつきますが、 ヤニがこびりつくと、プラークも沈着しやすくなって、歯周病の発症や進行を助ける事もわかってきています。 歯科医院ではそんなこびりついた汚れも除去できますので、お気軽にお問合せください。
歯科の治療は、健康保険が使える「保険治療」と健康保険が使えない「保険外(自費)治療」の2種類に大きく分けられます。 でも、「この2つの治療は一体なにが違うのか?」、「それぞれのメリットとデメリットは?」といったことについては、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。 今回は保険治療と保険外治療のメリット・デメリットについてお話したいと思います。
■保険治療のメリットとデメリット
保険治療とは健康保険が使える治療のこと。患者さんの費用負担は治療費の3割だけで済み、とても安い費用で治療を受けることができます。
また、保険治療の費用は全国一律なので、どこの歯科医院で治療を受けても費用は同じ金額。全国どこでも同じ費用で治療が受けられるのです。
しかしながら、費用が安い、全国どこの歯科医院で治療を受けても費用は同じ、というメリットがある一方で、治療方法や治療に使う材料、治療にかけられる時間に制限があるといったデメリットもあります。
保険治療は、治療方法や手順、治療に使う材料に細かいルールがあるため、決められたルール以上の治療は行えません。そのため、最新の治療法で治療できなかったり、高性能の材料を使うことができなかったりします。何より時間があまりかけられないということは、妥協的な治療になってしまうこともあるということです。結果的に、患者さんにとってベストとはいえない治療になることもあります。
つまり保険治療は、
というメリットがあるものの、
というデメリットがあるというわけです。
■保険外(自費)治療のメリットとデメリット
険治療に比べて費用が高額一方、保険外(自費)治療は健康保険が使えないかわりに、治療方法や治療に使う材料、治療にかける時間が制限されることはありません。最新の治療法で、高性能の材料を使い、時間をかけてていねいに治療することができます。保険治療のような細かいルールがありませんから、患者さんにとってベストな治療を行うことができるのです。
ただし健康保険が使えませんから、治療費の3割だけを負担すればよい保険治療とは違い、費用を全て患者さんが負担しなければなりません。そのため治療費は保険治療と比較すると高額になるのが一般的です。
また、自費治療の費用は歯科医院が自由に値付けできるため、治療を受ける医院によって費用はマチマチ。A歯科医院では10万円の治療がB歯科医院では20万円ということもあり得るわけです。そもそも歯科治療は物を売っているわけではありませんので、医院ごとの技術や設備の違いに基づいて価格に違いがあることは当然だともいえます。自費治療とは、その医院の「実力を出し切れる治療」と考えても過言ではありません。
つまり自費治療は
というメリットはありますが、
というデメリットもあるというわけです。
2022年12月20日
みなさんは歯科医院で治療を受けている際に「もう歯も痛くなくなったし通院しなくても大丈夫だよね」と 思ったことはありますか? しかし、痛くなくなったからといって通院をやめてしまうと余計に悪化してしまうことがあります。 今回はそんな治療を途中でやめてしまうリスクについてお伝えしていきたいと思います。
●仮歯で中断してしまうと
歯の治療では、治療箇所を保護する目的や、見た目の違和感をなくすために 『仮歯』を製作することがあります。
仮歯を入れた際に「痛くなくなって見た目も整ったし大丈夫か」 と、そのまま治療を中断してしまう方も稀にいらっしゃいますが、 仮歯というのは「一時的な使用」を目的としているため 耐久性が低く、そのまま使い続けると摩耗していきます。
しかも、すぐに取り外せるように使用する歯科用接着剤も 弱いものが使用されています。
このように、仮歯は非常にもろい材質で作られているため、 放置すると隙間ができてしまい、せっかく治療した箇所に再び細菌が入り込み むし歯が再発してしまうこともあります。
そうなってしまっては、いざ治療を再開しようとしても 「続きから」というわけにはいきません。
本来であれば小さく削るだけで済んだ箇所も、 大きく削り直したり、つめものを作り直したり、状態が悪ければ、 神経をとり除かなくてはいけない場合もあります。
●歯の根の治療を中断してしまうと抜歯の可能性も
むし歯が進行して神経(歯の根)まで達してしまうと、 歯を削るだけではなく、神経をとり除く治療が必要になります。
そして、神経が入っていた「根管(こんかん)」と呼ばれる部分には 細菌がまだ残っているため、根管内を綺麗に掃除し、 薬を詰めやすくするために形を整えたりする必要があるのです。
これを「根管治療」といいますが、もし根管内に細菌を取り残してしまうと、 確実に病気の原因となってしまうため、 複数回に渡りしっかりと細菌を取り除いていきます。
ところが神経をとると、その部分に関しては 痛みを感じることが無くなることから、 自己判断で治療を中断されてしまう方がいらっしゃいます。
当然、治療の途中ではまだ根管内に細菌が残っているため、 そのまま放置すれば確実に再感染の原因につながります。
しかも、症状が進むと抜歯が必要になってしまう可能性が非常に高く、 せっかく残せたはずの歯も失うことになりかねません。
神経の治療を開始したら、 決して途中で中断することなく通院することをお願い致します。
●歯周病治療を途中でやめてしまうと…
歯周病とは、細菌が「歯ぐきの腫れ」や 「出血」を引き起こし、最終的に歯を支える骨を溶かして、 歯が抜けてしまう病気。
その原因のひとつが『歯石』です。
歯石とは、歯垢(プラーク)が だ液中のカルシウムやリンと結びついて 石のように固まってしまった『細菌の要塞』のようなもの。
細菌のかたまりである歯石を放置すれば、 当然ながら歯周病は悪化してしまいます。
ただのお掃除に見える歯石取りですが、歯を少しでも長く大切に使うために とても重要な治療なので、最後まで治療を続けましょう。
どんな治療も、私たちが「これで治療は終わりです」 とお伝えするまで、必ず通院を続けてください。
中断してしまうと、「気まずくて通いづらい…」 と感じてしまう方もいらっしゃいますが、 私たち歯科医は、皆さんの歯を治療して 豊かな人生を送っていただくことが何よりの望みです。
治療の経過で気になることがあれば、皆さんの不安を取り除けるよう しっかりとお答えさせていただきますので、いつでもご相談ご来院をお待ちしております。
みなさん「むし歯」は経験したはありますか? ならない方が断然いいことではありますが、やはりむし歯は歯の疾患の中でもかなり身近なものになっています。 むし歯になってしまう原因も様々ですが今回はむし歯になりやすい人の特徴をご紹介していきたいと思います。
●1.だ液の量で虫歯に!?
だ液はお口の健康を維持するうえで、 欠かせない存在です。というのも、だ液の役割の一つは 溶けた歯を再生させることです。
私たちの歯は、実は食事のたびに 脱灰(だっかい)という現象によって 歯が溶かされている状態になります。
しかし、溶かされた歯も、だ液によって 再石灰化(さいせっかいか)が行われ、少しずつ再生していくのです。
そのため、 だ液が不足してしまうと歯の再生が追いつくことができず、 むし歯になりやすい口腔環境になってしまっているのです。
そんな「だ液」の分泌量を増やすには、食べものをしっかり噛んで食べることがとても重要です。 また、ストレスやアルコール、服用しているお薬の影響などでもだ液の分泌量は低下してしまいます。
お口の乾きが気になった方は一度、生活習慣を見直してみると発見があるかもしれません。
●2.間食が多すぎる
せっかく「だ液」が多く分泌されても、おやつなどの間食が多すぎると 「歯が再生している時間」よりも、「歯が溶けている時間」の方が多くなり、 むし歯になりやすい状態になってしまいます。
溶けた歯をすぐに再生することはできないので、食事と食事の間には、十分な時間をあけましょう。
規則正しい食生活を心がけ、むし歯になりにくい習慣をつくることが非常に重要です。
●3.糖分の摂取量が多すぎる
糖分はむし歯菌の大好物。
糖分をエサに数を増やし、お口の中で「プラーク(歯垢)」という菌のかたまりを作るため、 糖分の多いお菓子やジュースをよく摂取している人はその分むし歯になりやすい傾向があります。
むし歯菌はプラークの中で糖分を分解して酸を吐き出すのですが、 この酸が歯を溶かしてしまう原因です。
●4.歯並びが乱れてしまっている
歯が重なっていたり、奥まっていたりする箇所は歯ブラシが届きにくく、 プラークが残ってしまうことが多いです。
いくら歯みがきをしていてもプラークを取り除けていなければ、 お口の中に菌は増え続けるばかりです。
効果的な歯みがきは、歯並びが乱れていない人でもできないことがほとんど。
そのため、歯科では「歯みがき指導」として正しい磨き方や、 効果的な口腔ケアグッズについてみなさんにご紹介しています。
むし歯になるリスクを減らすためにも、歯並びが乱れている場合は、歯科医院で診てもらい 対策について相談してみるのがおすすめです。
また当医院では予防歯科に力を入れておりますので、お気軽にご相談、ご来院をお待ちしております。
2022年12月13日
歯を綺麗にしようとするあまり、力を入れてゴシゴシと磨いていませんか? 近年、強い力で磨きすぎる「オーバーブラッシング」が問題視されています。 汚れをすみずみまで取り除くことが出来ていない上、歯の表面に 傷がついて着色の原因にもなります。
●歯磨きはゆっくり丁寧に
また、歯茎を傷つけて歯の根元が露出する「歯茎下がり」 を招くことにもなります。
「歯茎下がり」は老化現象の一つでもありますが、オーバーブラッシングで 早めてしまうこともあります。 残念ながら、下がった歯茎は元には戻りません。
歯の根元は柔らかい組織で出来ているため、むし歯になりやすいのが 難点です。 歯と歯茎に優しい磨き方を取り入れましょう。
●あなたは大丈夫?
《オーバーブラッシングチェックリスト》 ・歯ブラシの柄をギュッと握って歯を磨く ・交換した歯ブラシが1ヶ月以内に毛先が広がる ・以前より歯が長くなったと感じる ・冷たいものや熱いものが歯にしみる ・派手に音を立てて歯磨きしている →1つでも当てはまったら、オーバーブラッシングの可能性あり
オーバーブラッシングを防ぐには、歯ブラシの柄をペンを持つように 軽く握るのがコツです。 力まず優しく磨けます。
力を入れて磨くと歯ブラシの毛先が開いて汚れを落としにくいので、 毛先が開かない程度の力で、小刻みに動かしながら磨きましょう。
ご自身やお子さまの磨き方がご心配であれば、歯磨き指導も 行っておりますので、お気軽にご相談ください。
最近は冷え込むことも多く、乾燥する時期にもなってきましたね。 喉が乾燥してのど飴を食べたりすることも増えてくると思います。 そうなると、心配になってくるのが 虫歯になることだと思います。
そこで、今回は虫歯になりにくい甘味料のお話をしようと思います。
●そもそもなぜ虫歯になるの?
まず、みなさんはなぜ虫歯になるかご存知でしょうか?
虫歯とは、食べ物の中に含まれる糖分を口の中にいる虫歯菌 (ミュータンス菌など)が分解して酸を作り、口の中を酸性に変えてしまいます。 酸性になると歯の表面が溶け始めます。
通常なら口の中の唾液によって酸が中和されて溶け出した歯の表面は 修復されますが、唾液が少なかったり、中和させる力が弱い、 糖分をとる回数が多く酸性になっている時間が長くなるなどの 条件が重なると修復が追いつかず、歯に穴があいてしまいます。 それが虫歯なのです。
●虫歯にならない代用甘味料
では、糖分はとりたいけれど虫歯にはなりたくない! ・・・どうしたらよいでしょう。
ここで紹介したいのが「代用甘味料」です。 この代用甘味料とは砂糖(スクロース)の替わりに用いる甘味物質の 総称です。
みなさん一度は聞いたことがあると思いますが、キシリトールが 代表的なものの一つです。
キシリトールは砂糖と同じくらいの甘さがありますが、虫歯菌が 酸を作り出せないので、虫歯になりにくい甘味料になります。 このキシリトールは糖アルコールという糖質の一種で、他には エリスリトール、マルチトール(還元麦芽糖)、ソルビトール、 マンニトールなどがあります。
アスパルテーム、ステビアなどは非糖質性甘味料と呼ばれていて、 名前の通り糖質ではないので酸は作られませんが、甘味を 感じられる甘味料になります。
それに対して虫歯になりやすい甘味料ですが、ブドウ糖 (グルコース)、麦芽糖(マルトース)、果糖(フルクトース)、 そして砂糖などです。
飴やガム、お菓子などを選ぶ時、食品の成分表示を見る際に 参考にしてみて下さい。
最後に、糖分のとり方もそうですが、虫歯にならないためには お口の中をきれいにして定期的に歯科医院で検診を受けることを おすすめします。